下のばあちゃん

 正確には「私たちの家(実家)よりも下に住んでいるおばあちゃん」ということですが、実は、今の今まで、このおばあちゃんの本名を知りません。

なぜ、急にこんなことを思い出したか。。。

 私が、まだ小さい時、たぶん、保育所に行っていた頃の事だと思うのですが、実家の高台からちょっと下がった所に、かやぶき屋根の大きなお家が建っておりまして、そこにおばあさんが一人で住んでおりました。今でこそ、かやぶき屋根の家なんて田舎でも見かけることはありませんが、その当時は、まだ2,3軒は、そういうかやぶき屋根の家もあったのです。

 で、私の母は、畑からとうもろこしを収穫すると、必ず、そのひげを私にその「下のばあちゃん」に届けさせました。なんでも、それを煎じて飲むと体にいいから、らしいのです。
で、私は、しょっちゅう、そのひげを持って、子供の足でも走って1分ほどの「下のばあちゃん」ちに持って行って、その後、しばらくおばちゃんのお茶の相手をして、夕暮れになって帰宅していたらしいのです。
 おばあちゃんは、小さい私に何を話してくれたのでしょう。

 私の記憶の中には、そのかやぶき屋根の中に広い土間があって、煤けた暗いその家の中の台所の風景しか覚えていません。なんか夕飯の支度をしているのか、湯気がたっている、そういうことしか覚えていないのです。

 その後、おばあちゃんが亡くなって、誰も住む人もなく、やがて、かやぶき屋根に穴が開いて、どんどん朽ち果てていったのは覚えています。

 でも、どうしてもお顔は思い出せません。



 それから、お墓ですけど、やはり「下のばあちゃん」のお墓は、実家の菩提寺の私の家のお墓の
ずっとずっと下の方にあるんです。細い胸突き八丁の坂の途中に、手をかけて登るに調度いいところにある石が「下のばあちゃん」お墓です。
知っている人しかわからない、とてもつつましいお墓です。
お盆の時期だけ、タバコが置いてあるから、そこが誰かのお墓だとわかります。

 そんなつつましい、おばあちゃんを、ふと、とうもろこしのひげで思い出しました。


 今度帰省したら、是非、本名を教えてもらって、ご供養したいと思いました。
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by WofNaka | 2012-08-16 16:33 | 日記 | Trackback | Comments(0)  

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