興味だけではなく、知らないといけないと思うのです

何故、私が性同一性障害にならなかったか

 このような記事は、本来ここのブログには書かない予定のものですが、今日のYahooニュースで「<性同一性障害>自殺や自傷増加 誤解などでリストラ対象か」というタイトルの記事が出ておりましたので、過去を遡って思い出しながら書いてみたいと思います。

 ウィキペディアの言葉を引用すると。。。
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性同一性障害(せいどういつせいしょうがい、Gender Identity Disorder, GID)とは、『生物学的性別(sex)と性の自己意識(gender identity、性自認)とが一致しないために、自らの生物学的性別に持続的な違和感を持ち、自己意識に一致する性を求め、時には生物学的性別を己れの性の自己意識に近づけるために性の適合を望むことさえある状態』をいう医学的な疾患名。やや簡潔に『性の自己意識(心の性)と生物学的性別(解剖学的性別、身体の性)が一致しない状態』とも説明されている。
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 まず、生物学的な性ですが、これは戸籍上の性と置き換えて考えていただければわかりやすいと思います。生まれてすぐに性別の判断をしますが、すぐに判断できない状態があります。また、よく調べもせずに外見だけで誤った性別判断をしてしまうことや、どちらかわからないので両親に決めさせるなんていうめちゃくちゃなことが日常行われている、ということを知ってください。

 そうやって戸籍上の性別が決められますが、人生の途中でその決定(戸籍上の性別)が間違っているとわかっても簡単に修正してくれない世の中です。戸籍上の性の一人歩き現象です。

 身体的な性と自己意識(心の性)は、基本的には一致していると思うのですが、性別を決める際の不手際で誤ってしまうと一致しないことが起きます。
それから私のように染色体の数が違うと、性徴の過程が正しく行われなくなったり、生きていくうえでの様々な症状(障がい)が現れることがあります。見た目は男ですが、身体的中身も男かどうかはっきりしません。心もどっちつかずです。そういう性別の揺らぎといいますか、男女を明確に分けられないケースも出てきます。

 今までは、男女と男女の組み合わせの4通りしかないと思っていた人には、男女の間に無数に中途半端な状態があると知ってしまうと、その組み合わせが途方もないと考えたくなくなってしまうでしょう。

 実際には、もっといろんな条件があって、身体的な性と心の性が一致していないと感じるのだと思いますが、当事者だけではどうにもならないことがある、ということも理解いただけたかと思います。




 さて、戸籍上の性が男なのに、性徴の過程で、そうでない発達をしてしまうと、体育や身体検査や水泳や銭湯など、身体を露出しなければいけないときは苦痛以外の何物でもありません。また身体の線が出てしまうこともあります。そうすると、子供の頃には「あの子、おかしい」と思ったり口に出されたり、酷い時にはいじめの対象になります。また、先に自分で気が付いてしまったりすると、引きこもり勝ちになります。これから世の中に適合しないのではないか、という不安が大きくなると、その重圧はとてつもなく大きくなります。

 それから身体が拒絶する、こともあります。自分の意思に関わらず、こういうの嫌だ、というどうにも押さえ難いものっていうのがあります。男だからこうしなさい、と言われても受け入れられないことってありますよね。逆に、男なんだけれど、女のものを身につけたら妙に心が落ち着く、とかあるようです(私にはありませんが)。そういうことが顕著になって、どうしても戸籍上の性別ではない性別に変えなければ生きていけない、というのがGIDの人の心の内なのかなぁ、って思うのです。

 男→女 をMtF、女→男 をFtM と言ったりします。

 さて、戸籍上の性別を変えるにはどうしなければいけないか。

裁判所のサイトより引用。
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 家庭裁判所は,性同一性障害者であって,次の1から6までの要件のいずれにも該当する者について,性別の取扱いの変更の審判をすることができます。

1.二人以上の医師により,性同一性障害であることが診断されていること
2.20歳以上であること
3.現に婚姻をしていないこと
4.現に未成年の子がいないこと
5.生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること
6.他の性別の性器の部分に近似する外観を備えていること
※ 性同一性障害者とは,法により「生物学的には性別が明らかであるにもかかわらず,心理的にはそれとは別の性別であるとの持続的な確信を持ち,かつ,自己を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意思を有する者」とされています。
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 ちょっと気になるのが「生物学的には性別が明らか」って、戸籍上性別があきらか、の間違いではないかって思いますけど。

 5,6がやっかいです。簡単に書いてありますけれど、手術代とかで200~300万円ぐらいかかるようです。皆さん海外でやるようです。それから既に結婚して子供がいたりすると、もっと大変です。20歳以上、という制限も大きいですよ。こんなに大きな壁があるんです。

 そうなると、ますますハードルが高くなります。こういうことが生きにくさになっているんだと思うのです。若者にはつらい日々だと思います。

 それから、私のようなインターセックス(IS)の場合、どっちの治療が適すのか、という迷いが出ます。つまり男性ホルモンの補充がいいのか、女性ホルモンの補充がいいのか、ということですが、(戸籍上の性とは異なる)異性ホルモンの補充には、性同一性障害(GID)と認定されていなければいけない、という壁があります。でも、私はGIDではありません。女性ホルモンを補充すれば、今大変な本態性振線(身体の震え)などは改善されるだろうと思われますが、叶いません。そういう生きづらさも、年齢と共に、厳しくのしかかってくるもののひとつになっているのです。

 世の中で報道されている言葉に惑わされることなく、当事者だけではどうにもできないものが存在しているけれど、理解されなかったり、面白おかしく言われたりして、傷ついている人たちが大勢いることを知ってほしいものです。



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by WofNaka | 2012-10-12 10:29 | 日記 | Trackback(1) | Comments(2)  

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Tracked from クラインフェルターな日々 at 2012-10-20 11:40
タイトル : 久しぶりにセクマイの話に触れたのです
興味だけではなく、知らないといけないと思うのです  もうひとつのブログで、久しぶりにセクマイに関することを書いてしまったのですが、本来は、ここに書くべきものですので、リンクを貼っておきますね。... more
Commented by Takeshi at 2012-10-12 17:18 x
 性差で苦悩している人間の話を、確か大学の講義「総合講義」での聞いていた時に。本当に、当事者の方々の心痛を思えばと思っておりました。その頃、当の私にはクラインフェルターと言う病名も知らない時でしたから。

 結果、大学の講義の後で夏休みに帰省の折、病名を知ってからは自分の疑問(性差に伴う悩み)が判明して、驚きと衝撃を覚えていたものです。

 記事を見て、一瞬そんな風に感じていました。
 ただ、性同一性障害までには、私自身は至りませんでしたが。
 男性として生まれてきて厳格に男性であると認識をしてきただけに、周りの男性と違う体型に苦しめられてきたのは事実ですね。
 未だに、体の作りがもっと何とかならないのかと悩みはし続けています。このことを見ても、やはり今後は周囲ではこういった悩みを持っている人もいるのだし。
 気遣いと配慮は、本当に必要かもしれませんね。日本国における制度や法律における性同一性障害者への救済的な側面としては立ち遅れているのは否めません。日本国の民法における改正は間に合っていないのが実情です。今の風土に合った民法典が、本当に必要に思います。法学を勉強してきた私にしたら、本当に率直に感じています。
Commented by WofNaka at 2012-10-13 18:19
こんにちは。コメントありがとうございます。

どっかの国や、他のものからの流用になっているような法律もあると思うんですけどね。もっとちゃんと正面から取り組んでの法律にならないものかと思うのですよ。

今のままでは、誕生で間違った性別を修正するのが非常に難しいと思います。間違ったものを正す、ってそんなに異常なことでしょうかね。私は、当たり前のことだと思うのですが。

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