U字型の土地
2014年 07月 01日
そこは、Uの字を逆さにしたように山々に囲まれたような土地。
麓は山肌に沿って、家々が並んでいて、真ん中の田畑を囲んでいる。
それほど高い山なのではなく、みなどんぐりの背比べのように、きっと峰々には名前などついていないような、そんな山々がだらだらと続いている。
そして、そのUの字とは逆に、山々の麓の家々を繋ぐように鉄道が引かれている。
つまり、その土地の左奥から出発(終点)して、手前側に線路が敷かれ、そしてまた右奥に終点(始点)があるような、そんな路線。
単線で、しかも古い車両。真四角で、まるで鉄道が出来たばかりの頃のような箱形の車両が1両だけ、ことことと走っている。
ひとつの駅についても、すぐには発車しない。
人々が降りて、どっかの店に入って、ひと飲みしてから戻っても十分に間に合うだけ、そこに停車している。
まるで鉄道がいらないぐらいゆっくりとしたのんびりとした鉄道だ。
今日は、そんな鉄道を利用して、私と、無線の仲間の3人で、そのUの字になった右側の一番奥に住んでいるおばちゃんに会いにきた。
おばちゃんって言っても、っていうか、本人の前でそんなことは言えない。
昔、都会の酒場では知らない人がいないほど名を馳せた人なんだけれど、まだ定年前ぐらいなのに、急に田舎に戻ってしまったんだ。
だれもその理由はわからない。
そして、私らはその姐さんととても親しかったので、久しぶりに会いに行こうというところ。
もっとも、親しいと思っていたのは私らだけかもしれない。
みんなに優しく厳しい人だったから。
あと、一駅、というところまで来たら、友達のSさんが、いきなり、降りるぞ、って。
あと一駅なのになー、って思ったんだけど、私には、そのSさんの突拍子もない行動が、いつも心地よいのだった。
いきなり車両から飛び出したSさんに、残りの2人は置いてかれまいと慌ててくっついて行った。
いつもそうなのか、それとも今日は縁日だったのか、小川沿いに屋台が出ていて、そこには、串に刺さった焼いた小魚や練り物が等間隔にきちんと並んで刺さっていた。
Sさんはおもむろに、山になって置いてあった小さい紙コップを一つ掴むと、その串刺しのところにまっすぐ向かって、コップでその串刺しのものを掬い上げて、口に運んでいった。
あーっ。
その掬い方が普通でないんだけれど、上手い具合に掬いとることができるようで、私もまねしてみたんだけれど、どうも上手くいかない。何やら、コツがあるらしい。
ところで、そんなに、いろんなものを物色しては口に放り込んでいるSさんだけど、お代はどうするのか。
誰がどうやって計算しているのか、全くわからず、私はそういうところばかりがとても気になった。
ちょっと掬い上げる手を休めて、周辺の山々を見渡すと、遠くからでは気がつかなかったんだけれど、山々の斜面には、まるで爪で引っ掻いたような傷のようなものが何本も、痛々しいほどについていて、その全てに、ショベルカーが配置されていて、山を削っているのが見えた。
あー、こんな僻地にも、開発の手が伸びているのか。
こんな山々も、きっとあっという間に平地にさせられていくのだろうか、そう思うと、悲しく寂しい思いがしてきた。
そこで突然目が覚めた。
どこだろう、きっと行った事がない土地だし、その姐さんだって、知らない人だと思うんだ。
そうそう、そこの土地に行くのに、会社が入った大きな大きな周囲がガラス張りビルに居た。
そして、そこには、ビルの大きさにふさわしくないぐらい少ないエレベーターがあって、そこには、あまりにシンプルで不親切なフロアー説明があって、やっと来たエレベータに飛び乗って、でもどこに行ったらわからないのに、適当にボタンを押して、そうして着いた場所が、さっきのU字型の土地だったんだった。
もし、別の階で降りていたら、そこには港町があったかもしれないし、大都会が開けていたのかもしれなかった。
そんな夢をみた。
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麓は山肌に沿って、家々が並んでいて、真ん中の田畑を囲んでいる。
それほど高い山なのではなく、みなどんぐりの背比べのように、きっと峰々には名前などついていないような、そんな山々がだらだらと続いている。
そして、そのUの字とは逆に、山々の麓の家々を繋ぐように鉄道が引かれている。
つまり、その土地の左奥から出発(終点)して、手前側に線路が敷かれ、そしてまた右奥に終点(始点)があるような、そんな路線。
単線で、しかも古い車両。真四角で、まるで鉄道が出来たばかりの頃のような箱形の車両が1両だけ、ことことと走っている。
ひとつの駅についても、すぐには発車しない。
人々が降りて、どっかの店に入って、ひと飲みしてから戻っても十分に間に合うだけ、そこに停車している。
まるで鉄道がいらないぐらいゆっくりとしたのんびりとした鉄道だ。
今日は、そんな鉄道を利用して、私と、無線の仲間の3人で、そのUの字になった右側の一番奥に住んでいるおばちゃんに会いにきた。
おばちゃんって言っても、っていうか、本人の前でそんなことは言えない。
昔、都会の酒場では知らない人がいないほど名を馳せた人なんだけれど、まだ定年前ぐらいなのに、急に田舎に戻ってしまったんだ。
だれもその理由はわからない。
そして、私らはその姐さんととても親しかったので、久しぶりに会いに行こうというところ。
もっとも、親しいと思っていたのは私らだけかもしれない。
みんなに優しく厳しい人だったから。
あと、一駅、というところまで来たら、友達のSさんが、いきなり、降りるぞ、って。
あと一駅なのになー、って思ったんだけど、私には、そのSさんの突拍子もない行動が、いつも心地よいのだった。
いきなり車両から飛び出したSさんに、残りの2人は置いてかれまいと慌ててくっついて行った。
いつもそうなのか、それとも今日は縁日だったのか、小川沿いに屋台が出ていて、そこには、串に刺さった焼いた小魚や練り物が等間隔にきちんと並んで刺さっていた。
Sさんはおもむろに、山になって置いてあった小さい紙コップを一つ掴むと、その串刺しのところにまっすぐ向かって、コップでその串刺しのものを掬い上げて、口に運んでいった。
あーっ。
その掬い方が普通でないんだけれど、上手い具合に掬いとることができるようで、私もまねしてみたんだけれど、どうも上手くいかない。何やら、コツがあるらしい。
ところで、そんなに、いろんなものを物色しては口に放り込んでいるSさんだけど、お代はどうするのか。
誰がどうやって計算しているのか、全くわからず、私はそういうところばかりがとても気になった。
ちょっと掬い上げる手を休めて、周辺の山々を見渡すと、遠くからでは気がつかなかったんだけれど、山々の斜面には、まるで爪で引っ掻いたような傷のようなものが何本も、痛々しいほどについていて、その全てに、ショベルカーが配置されていて、山を削っているのが見えた。
あー、こんな僻地にも、開発の手が伸びているのか。
こんな山々も、きっとあっという間に平地にさせられていくのだろうか、そう思うと、悲しく寂しい思いがしてきた。
そこで突然目が覚めた。
どこだろう、きっと行った事がない土地だし、その姐さんだって、知らない人だと思うんだ。
そうそう、そこの土地に行くのに、会社が入った大きな大きな周囲がガラス張りビルに居た。
そして、そこには、ビルの大きさにふさわしくないぐらい少ないエレベーターがあって、そこには、あまりにシンプルで不親切なフロアー説明があって、やっと来たエレベータに飛び乗って、でもどこに行ったらわからないのに、適当にボタンを押して、そうして着いた場所が、さっきのU字型の土地だったんだった。
もし、別の階で降りていたら、そこには港町があったかもしれないし、大都会が開けていたのかもしれなかった。
そんな夢をみた。
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過去見た夢のリストです
by WofNaka
| 2014-07-01 06:39
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