療養所に母がいた

 最初、そこは兄夫婦の自宅だと思っていたんだよね。でなきゃ別荘なのか。

 とうとう兄も、自分の使命に気がついて、末端の人の介護のことを考えるようになったのかと。。。

 そこは、温泉街にある大きな岩の上に建っている細長い建物だった。平屋の。

 お風呂は露天風呂風に岩をいくつか組み合わせて作った湯船のお風呂と、その隣には、コンクリートでいくつか四角く湯船を作ったお風呂があった。

 複数の居住者がいるようで、年老いた男性の何人かが既に入っているようだった。

 兄夫婦の部屋はその建物の一番奥で、招待された私の部屋はさらに一番奥にあった。

 小さい4、5畳間だけど1人には十分だった。

 その客間を出ると、すぐ横には洗面所があった。大きな四角い岩をくりぬいて作られていた。

 そして廊下に沿って、戻ると私の隣の部屋は、認知症の母の部屋だった。広さは6畳はあるかしら。

 さらに廊下を戻ると兄夫婦の寝室があった。さらに戻ると何か部屋があった後で、廊下、玄関となっていた。

 トイレは2カ所。

 母の部屋の廊下とは反対側に1カ所。

 他の設備と比べると遥かにお粗末なもので、男用が2つと和式の汚いトイレが奥に1つあった。できれば使いたくないようなトイレだった。

 もう一つは、外にあるのか、よく場所が思い出せないけれど、あるらしかった。

 結局、私はそのトイレにはたどり着けなかったんだけどね。


 兄は医療関係者なんだけど、どうも、その施設から請われてきたみたいなんだな。

 他にも医者がいて、そこには、玄関からひっきりなしに様々な事情を持った人が昼夜関係なく押し寄せてきている。

 きっと、兄も医療関係者だとわかったら、そこに四六時中殺到するのは目に見えている。

 きっと、兄も、それを察知したんだろうな。

 やっと引っ越しが完了したのに、もう逃げ出す算段を始めているではないか。

 認知症の母は、私の顔を見てもすぐに息子だとは気がつかなかったようだった。

 久しぶりだもの。

 もうすぐ4年だもの。

 しばーらくじっと顔を見つめて、それからゆっくり私の名前を呼んだ。

 あー、その顔は昔の母のものだった。


 で、何か言いたそうなんだけれど、随分長くそのままの顔の後で、

 ふふ、って笑って、恥ずかしそうにして、わがんない(わからない)と言った。

 そうだよね。もう色々と忘れたよね。

 いいんだよ、それで。


 私は妙に安心して、探し物を継続した。

 トイレを探していたのだ。


 いつの間にか建物から外にでてしまっていたようだった。

 建物をぐるーっと回ると、鍾乳石で出来ているような下り坂に。

 どうやら、この建物はとても大きな鍾乳石の上に建っているようだった。

 下に降りて行くと、そのところどころに空いたくぼみに水がたまっていて、その水たまりには大きな魚が泳いでいる風だった。

 それを不思議そうに眺めて上を見上げたら、人工の水槽が見えた。

 高さは10mぐらい、横は15mぐらい、奥行きは2mぐらいだろうか。

 そこには中型な魚が泳いでいる他、二人の人がアクアラングを付けて泳いでいた。

 その水槽の不思議なのは、手をつくと、そこから水槽の中に取り込まれてしまう事だった。

 そして水面まで少しずつ登って行ける。ゆっくりだけど呼吸は苦しくないのだった。


 結局、トイレを見つけることができず、1回めは、客間の隣にある洗面所でこっそりやった。バケツ一杯に出したけれど、それでも終わらず、自分大丈夫かと思った。

 でも、私が探しているトイレは大便用だったので、また探すことに。

 ここかと思って開けた所は、露天風呂だった。

 なんと、兄夫婦の寝室に隣接していた。いいなぁ。

 そして隣の四角く区切られた湯船のところに行くと、そこは、母の部屋に隣接していた。

 そして、母は、廊下側の襖にぴったりとくっつくように、布団も敷かずに明かりを灯さずに横になっていた。

 6畳間の、片一方側にぴったりと。

 残りのほぼ6畳間はがらんとしていた。

 なんか、寂しくて、悲しくなった。


 さらにトイレを探したけれど、どうしても見つからず、結局、母の部屋に隣接したトイレに行く事にした。

 大便をしたいのに、やっぱりどうしてもその和式便器ではする気にはならなかった。あまりに汚い。認知症なら構わずしてしまうのかも、とも思わせるような汚いトイレだった。

 ふと人の気配を感じたので、振り返ると、入り口付近に腰掛けてノートパソコンを操っているお爺さんがいた。

 お爺さんは、誰に言う風でもなく、私に語りかけた。

 やっとこんなところにも、お医者さんが来てくれるようになった。
 有り難いことだ。
 ここは、随分と忘れ去られていたから。

 その言葉を聞きながら私は、やっぱり大便はできずに男用で用を足したんだった。



 トイレを出ると、玄関に、兄夫婦がでかける風なのを見つけたので行ってみると、もうここには二度と戻らないよ、と言って、車に乗り込むところだった。


 あー、またしても置き去りか。



 でも、母は、ここで、このまま暮らすんだろうな。



 そこで、本当にトイレに行きたくなって、目が覚めた。
夢の中の2回のトイレでは、おねしょは当然していなかった。



あー、ひさしぶりに、母にあった。

あれから4年か。

今月は祥月だな。

 
そんな夢を見た。


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by wofnaka | 2014-09-01 09:05 | 夢の話 | Trackback | Comments(0)  

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