長い長い雨

 私ら家族は、当時、とても裕福だったため、家族の他に下働きの者達を多く使っていた。

 家は、田舎だったから、平屋で広い家だった。すぐ近くに山があった。

 部屋数も多いが、特に居間は広々としていた。


 そして、それが来た。

 最初は、単なる長雨だった。

 それが、異常とも言えるほどの長い長い雨になっていった。

 来る日も来る日も雨が降って、雨水が、家の土間から部屋の下にも流れを作って流れていた。

 排水路は予め用意されていたが、そんなものはとうに新たに自然にできた流れの中に吸収されていて、畳と畳の隙間から部屋の下全体が川のようになっていて、それが、部屋の中にできた淵に向かってゴーゴーと流れていた。

 その川の流れのような音で、それに気がつくのが遅れた。

 最初は、下働きの人の何人かが、暫く見えないぐらいだった。

 住み込みの部屋は別になっていたから、あまり気にしていなかったが、それでも、見かける人が少なくなっていた。


 どうしたんだろうと思っていたが、終いには、下働きの人は誰も見かけなくなった。

 その頃になって、やっとなにか悪い事が起きていることに気がついた。

 でも、この長い雨の中、出かけることもできず、家の中に留まっているしかなかった。


 何が起きていたか。

 ある者は、畳と畳の間に誤って落ちてしまってそれっきりに、ある者は、その流れの中からいきなり出た何かに掴まれて、流れに引き込まれた。

 もうそれは明らかだった。

 それに気がついてもどうする事も出来なかった。


 随分と長い間雨が降り、人々は少なくなっていた。

 夜になると、小さい丸い点滅する光が、あちらこちらの窓から見えるようになっていた。

 なんだろう。ホタルにしては大きいし、ときに動く。


 ここは山の中だったなぁ、と思った瞬間、それらが動物の目であることに気がついた。

 そう、いつの間にか、人間がいなくなってしまい、今まで虐げられていた動物たちの天下になっていたんだった。


 動物と言っても、昆虫なども含まれていた。

 沢山いた田舎の人達の中で、ある者は体内に卵を産みつけられて、生きながらにして喰われていった。ある者は、単純に餌として喰われた。ある者は、喰われはしなかったが、下働きをせざるをえなかった。生きるにはそうするしかなかった。


 そのうち人間の中で、動物達から一目置かれるようになった人物が現れた。

 小柄なおばあちゃんだったが、ただ者ではない狡猾さがあった。

 たちまち人間の中の頂点に立った。


 人々は従わざるを得なかった。

 新たに下働きの人を増やすために、ひたすら子供を産み育てる役が作られた。

 数を増やすためにその役は重要で、その人数も多かった。若い女性のほとんどがその役になっていた。


 そんな中、我が家の序列も変ってしまった。

 新たな下働きは来ていたが、下働きが偉くなっていて、私たち家族が実質の下働きになっていた。


 私はその頂点に立つ女性の身の回りをやっていた。

 そして疲弊していた。

 もう間もなく、自分の命が尽きるだろうと思われた。

 その時は、その時は、この女を殺そうと心に決めていた。


 でも、それも難しいことだった。

 その女を殺せば、たちまち動物が主になり、食い殺される人が増えてしまうことになるからだった。


 もう腸が煮えくり返るほどの悔しい思いだったが、家族や、なんとか生きている人のことを考えると、それはやってはいけないことだった。



そんな悔しい思いの中で、目が覚めた。

そんな夢を見た。



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by WofNaka | 2015-02-21 09:47 | 夢の話 | Trackback | Comments(0)  

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