腐った黴びたキッチン2

母が認知症になっていたのに、私ら兄弟は暫く気がつかなかった。

それは、日帰りで帰省する兄と、2泊もせずに帰省する私だったため。

近所の方々は随分前から知っていたんだけれど、こういうことは子供らが知るまでは教えてくれないものなんだね。

そしてある日のこと、それを知ってしまった。


それから頻繁に帰省することになった。

私は東京に住んでいるから毎週、というわけには行かなかったけれど、最後の方には月に1、2回は母の元へ通ったかな。兄は週末には帰っていて、それ以外はヘルパーさんにお願いしていた。

最初は、そんなことを考えもしなかったんだけど、今まではせいぜい、正月とお盆、それにGW程度しか帰省しなかったのが、毎月帰省して、その季節季節の田舎の風景や匂いで懐かしい思いをたくさん味わう事ができた。

これは、母が認知症になったからできたことで、心から親はどんな時でもありがたいものだなぁ、としみじみ思ったものだった。

ある日、私は朝から台所に籠りきっていた。

実家に泊まった時は、気になるところの掃除をしたいと思っていたから。

ちょっと黴(か)びている引き出しを見つけ、軽い気持で掃除をしようと思ったからだが、甘かった。

引き出しは全体的に黴びていて、簡単には済みそうになかったからだ。

しかも、黴びていたのは(当然のことながら、)引き出しだけではなかった。

引き出しの中からも黴(かび)だらけの何かが出てきた。ちょっと気持が悪いので何かまでの確認はしなかったけど。

そうして、昼時間になったのも忘れて黙々と黴だらけの引き出しと格闘していたんだ。




何かの拍子で、人の気配に気がついた。

強引なわけでもなく、控えめで、かと言って気づかない風でもなく。



ふと顔を上げると、そこには柔らかい表情の母ちゃんがいた。

ちょっとだけ申し訳なさそうに笑って座って。


でも、私の手は休まずに動いている。それが当たり前かのように。


いいんだよ、いいんだよ。















そんな夢を見た。

2008/9/30 の夢の記事から。


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by WofNaka | 2016-09-28 23:49 | 夢の話 | Trackback | Comments(0)  

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