出帆

沖でマグロが豊漁だとの噂で、父の会社の船も出すことになった。

ひさし振りの漁で、みな活気づいていた。

昔、腕を鳴らした船頭さんも、ひさし振り感にひたって、いきなり船の最上階にまで上がって、太いロープの支度に余念がない。

私も、父の二代目として、役割を果たしたいという気持ちと、こういうのは似合わないよな、という早くこんなところから逃げ出したいという複雑な気持ちで船頭さんと一緒に最上階まで登ってきてしまった。

船は、さっきまで川に停泊していたのに、気がついたら既に走っている。

これから気仙沼まで回航するのだろう。

そして食料などを積み込んで、外洋に向けて出港するんだと思う。

船は大きな木造船で、最上階は三階になる。

地階もあって、かなりの大型船だ。

何日、そうして居ただろう。

もう少しで川が終わるのがわかった。

そろそろ私の潮時だな、と。

最上階で働いている人たちに、挨拶をして、1階に降りた。

1階では、若い女性が数人と若頭がいて、みなに挨拶をしようと思ったところ、若頭が、船頭が話があるってよ、と。

んーん。威勢がいいことを船頭が言うんだろうなとは思ったが、ここで下船を逃してしまうとこのまま洋上まで出られてしまうと思った私は、そっと、船から下りた。

船から下りて気がついたのは、船の周囲だった。

本当に多くの人たち、若者やら近所の会社の人たちが、大漁唄い込みを唄い踊っている。

それが、自分の人生そのものだと言わんばかりに、狂喜乱舞しているのだった。

でも、私は、自分の生活にもどるべく、そこから静かに去った。



そんな夢を見た。





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by WofNaka | 2017-06-21 10:26 | 夢の話 | Trackback | Comments(0)  

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